指先に囚われて…
「…ふーん、なるほどね!そりゃ、美弦がこうなんのも仕方ないね。美弦恋愛経験ほとんどないんだもんっ!」
『そっ!…んなこと…あるけど…』
「で?美弦はその…夕さんだっけ?のことどう思ってるの?」
『どうって…よく分からない。けど…』
「けど?」
『すごく、ドキドキした。笑った顔がとっても絵になっててね…それに、その笑顔が自分に向けられた時…嬉しかった。可愛いって他のお客さんに言われ慣れてるはずなのに、夕さんだけは違うの。もちろんっ、お世辞だってことは分かってるんだよ?でもね、それでも嬉しいって思ったの…』