指先に囚われて…
『えっと…あの事に関するテキストは…』
さすが、有数の本屋さん。
なかなか、欲しい本が見つからない…。
『(店員さんに聞こうかな…)』
そう思って、レジの方へ足を踏み出そうとしたとき…。
〈ドンっ!…〉
『いたたっ…はわっ!す、すいませんっ;後ろ全然見てなくてっ、あのっ、大丈夫です…え?!!』
後ろに人がいるのに気付かなくて、鼻がぶつかってしまった。
ジンジンとする鼻を抑え、涙目になりながらも慌ててぶつかってしまった人に謝ろうと、顔をあげたときだった。