指先に囚われて…


…―

 〈「いらっしゃいませぇ~♪ご注文は…」〉


遠くの方から聞こえる店員さんの声を背に、私は目の前にあることを未だ信じられずにいた。


めまぐるしく頭の中をぐるぐるといろいろな思考が交差する。


「…それで、美弦ちゃんは今日はお店は?」


『あ、お休みなんです。お父さんが飲み会に行くらしくて…』


「そっか、だから放課後に寄り道していたんだね。着物姿の美弦ちゃんもいいけれど、制服姿の美弦ちゃんもすごく可愛いね」


『もぅ、また、そんな///』


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