指先に囚われて…
所々に飾ってある小物などはアンティークっぽいものばかり。
それに、それぞれのテーブルにお花が生けてある。
そう思って、自分たちのテーブルにある花を見てみると…。
『綺麗な撫子…』
思わず、うっとりするような凛とした花が咲いていた。
「美弦ちゃん、この花を知っているの?」
『え、あ、はい』
いつの間にか、ウエイターさんはもうどこかに行っていて、自分が独り言のように呟いた言葉に反応をされたので驚いたが、夕さんの目が続きを促すように向けてくるので、一息ついて話をする。