指先に囚われて…


こうなっては、もう止めるのは無理だろうから、ほどほどにしてくださいねと言って、カウンターの中に戻ることにした。



 『ふぅ…』


「美弦ちゃんって…すごいんだね。いつもあんな感じなの?」


『まぁ、そうですね;もうここで仕事するのも3年目になりますし、小さな頃から母が働いている姿を見てきましたから…』


ある程度注文が落ち着いたので、ほんのちょっとの休憩…。


『あ、グラス空いてますね。お注ぎいたします』


そっと、夕さんの隣に回って瓶を持ち上げグラスに注ぐ。


< 70 / 121 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop