指先に囚われて…
こうなっては、もう止めるのは無理だろうから、ほどほどにしてくださいねと言って、カウンターの中に戻ることにした。
『ふぅ…』
「美弦ちゃんって…すごいんだね。いつもあんな感じなの?」
『まぁ、そうですね;もうここで仕事するのも3年目になりますし、小さな頃から母が働いている姿を見てきましたから…』
ある程度注文が落ち着いたので、ほんのちょっとの休憩…。
『あ、グラス空いてますね。お注ぎいたします』
そっと、夕さんの隣に回って瓶を持ち上げグラスに注ぐ。