指先に囚われて…
『もうっ、いつもそうやってからかうんですからっ///…って、え?花火大会?』
この人は…こうやって恥ずかしいことをさらりと言ってのける。
≪「そう、花火大会。良かったら一緒に行かないかと思ったんだけど…嫌かな?」≫
『そんなっ、嫌だなんてっ///嬉しいです…でも…』
お店の仕事があるから、行けないと断ろうと言葉を続けようとしたときだった。
「美弦、行ってきなさいよ」
『え?』
まだ、横にいたのか、お母さんが私にだけ聞こえるように呟いた。