指先に囚われて…
『ん?何か言いましたか?』
「別に♪」
何か言われたような気がしたんだけど、周りの景色を見ていたせいか聞き取れなかった。
『あ、いちごあめ、まだ食べてなかったんだった♪…んむっ…』
右手は夕さんに繋がれていたため、左手に持っていたいちごあめを袋から外し、食べる。
すると、口の中いっぱいに甘い飴の味が広がっていく。
「本当に美弦ちゃんは美味しそうに食べるね」
『だって、美味しいんですもんっ♪さっき食べた、焼きそばもお好み焼きも全部っ♪』