【短編】はくだく【BL】

 尊が僕の部屋で僕の頭を撫でながら、なんとか好きな人の正体を聞き出そうとする。

「ダメ。それだけは言えない」

「じゃあ馨が口開くまでここにいる」

 尊の言葉は普段言われたらすごく嬉しい言葉だが、今は困る。

 だって言っちゃったら、この関係も終わっちゃうし。

「本当にずっといるからな」

「あっ、ちょっと!」

 尊は僕の声にお構いなしに僕のベッドに寝転がった。

 尊が何気無くしてるその行動は、僕にとってはすごく意味深なことなのに。

「馨が言うまでここにいる」

 尊は断固としてどかないつもりだった。

「なんでそんなに知りたいんだよ、僕がどんな人好きでもいいだろ」

「よくない、俺には知る権利がある、馨の幼なじみだからな」

「意味わかんない」

 僕はそう言って部屋を出て風呂に入った。

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