【短編】はくだく【BL】
「鈍感…」
「え?好きな人のこと?やっと話す気になったか」
「その人はすごい鈍感で、全然気付かない」
「それで?」
「ずっとずっと大好きで、その人が他の誰かと仲良くしてるの見るだけで、すごく苦しくなるくらい大好き」
たぶんここまで言っても尊は気づいてない。
「ずっと近くにいたいけど、たぶん無理。その人はいずれ誰かと結ばれて幸せに暮らす…少なくとも僕とは結ばれない」
「お、おう…」
ほら、どうせ気付いてない。もう言っちゃいたい、尊が大好きって。
「なんかわかんないけど、頑張れよ…」
「ばかぁ…」
涙が止まらない。本当に尊にとって僕はただの幼なじみでしかないんだ。
そりゃそうだよね、普通の男の人が男の人を好きになるわけないよね。