【短編】はくだく【BL】
自分の部屋の扉を開けると、尊が待ち構えていて、部屋に入ってきた僕を抱きしめた。
尊は僕にキスをして、そのまま首筋に舌を這わせた。
「っあ…んっ…」
尊の唇が鎖骨に触れたとき、また体に電気が走ったような感覚がした。
「感じてる?」
「そんなんじゃ…あっ…」
「鎖骨、感じるの?」
「感じるとかわかんない…」
困惑して尊を見ると、ちょうど目が合った。
「…かおるっ…俺、お前の顔見てるだけで抜ける」
「な!何言ってんの!」
尊の言葉で今やってることがすごく恥ずかしくなってきた。
「もう終わり!今日は無し!もう寝る!」
「えー、今更お預けなんてそんなつらいこというなよ」
「ダメったらダメ」
「ほんと馨は…」
「僕は、何?」
「可愛い!」
尊がガバッと僕を包むように抱きしめて、そのままベッドへなだれ込んだ。
結局その日も尊の思い通りにされて、二人とも力尽きて眠りに落ちた。
「今度、二人でデートしたいな…」
眠る前に愛しい尊に向かって呟いた。
fin.