クールを演じる私【前編】
【璃流蘭の部屋】
《璃流蘭SIDE》
Blackroseがなんで、私なんかに?
しかも、『璃流蘭』って、書いてある。
私の事を知ってる人物なの?
璃流蘭へ
今まですまなかった。
俺は、自分が総長の時に入ってきた、下っ端がずっと羨ましかった。
俺は、璃流蘭の強さに憧れ、総長を実の弟である翔に譲り、Blackroseという名前を語り、桜蓮花を襲い続けた。
翔は俺だと気づいていた。
でも、翔は、何も言わなかった。
そして、俺は殺してしまった。
自分のこの手で。
それに、璃流蘭が1番憧れてた真凛も殺してしまった。
真凛が俺の婚約者になった頃、真凛が病気で長生きできないことを知った。
真凛に自分の誇りである総長の仕事を全うしている間に死にたいと言った。
その言葉どおり、俺は愛する真凛を殺してしまった。
璃流蘭には、本当に悪いことをしたと思ってる。
璃流蘭を傷つけ、流々華を傷つけ、そして翼を傷つけ、今の桜蓮花を傷つけた。
だけど、俺は璃流蘭が幸せになることを祈ってる。
俺がこんなことを言える立場じゃないことは、わかってる。
それでも、言わせてほしい。
北龍に幸せにしてもらえよ。
ずっと見守ってるからな。
今まですまなかった。
そして、ありがとう。
佐伯 葵。