願い事を一つだけ。【短編】
けど、青葉の目は熱を帯びていて。


真剣そのもの、そんな言葉が似合うような顔。


「え…どうし…」


「菖蒲は俺のこと嫌い?」

ずるい。そんな聞き方。

私が青葉を嫌えるわけないじゃない。


「好き」


そう言うと青葉はまた少し目を見開いて、小さく笑った。


「今すぐ返事、じゃなくていいから。じっくり考えて。…俺と、付き合お」



ボッとまた頬が熱い。



良いタイミングで来た飲み物を受け取りながらも火照りは消えない。


ポンポンと頭を撫でられ、それを最後に普通の雰囲気に戻った。


あっけないほど。





そう思ったのは……私が青葉を、好き、だから…?
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