願い事を一つだけ。【短編】
◆・◆・◆・◆・◆・◆・◆・◆・◆
今年も夏がやって来た。
グラウンドには汗を光らせた運動部員たちが真剣な表情で活動している。
「菖蒲ー!次サーブ菖蒲だよー!」
友達の千尋が私の名前を呼んだ。
私の所属するソフトテニス部は、【弱くも強くもない、プラマイゼロな部活】。
そんな長ったらしい呼び名までついたユルユルな部活だ。
だから部員もさほど強くはない。
…それが、私に合っているのかもしれない。
上も下もない世界が好きだった。
競争も何もない、穏やかでお気楽な……そう。
私みたいな。
今年も夏がやって来た。
グラウンドには汗を光らせた運動部員たちが真剣な表情で活動している。
「菖蒲ー!次サーブ菖蒲だよー!」
友達の千尋が私の名前を呼んだ。
私の所属するソフトテニス部は、【弱くも強くもない、プラマイゼロな部活】。
そんな長ったらしい呼び名までついたユルユルな部活だ。
だから部員もさほど強くはない。
…それが、私に合っているのかもしれない。
上も下もない世界が好きだった。
競争も何もない、穏やかでお気楽な……そう。
私みたいな。