願い事を一つだけ。【短編】
◇゜。◇゜。◇゜。◇゜。◇゜。◇


でも、その日は狙い澄ましたかのように会えなかった。


それから1日、また1日と日が過ぎて─────。







日曜日。

午前練のためにグラウンドに向かうと、


「千崎ぃぃ!!あんた最ッ低!!」

バシィィンという派手な音と共に、朝美の怒号が聞こえて来た。


「朝美!?どうしたの!?」

走って朝美の元へ向かう。

「こいつ…菖蒲にガセネタ流したのっ!!」


まさか自分が話の中心になるとは思わなかった。


「ガセネタ?」

「ひぃちゃんと中原が付き合ってるってガセネタ!!」


─え、何それ。


「何、どういう…」


「ひぃちゃんと中原は単なる幼なじみ!!この前一緒に歩いてたからって噂が流れてたのよ!!けど、こいつ菖蒲にそれをっ…」
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