願い事を一つだけ。【短編】
◆・◆・◆・◆・◆・◆・◆・◆・◆
「はい、みんな差し入れ~」
毎週日曜日、家から持ってきた和菓子をお昼の休憩にデザートとして食べるのがテニス部、通称【女テニ】の習慣になっている。
少し前まで家で働いている英野さんがお昼前に持ってきてくれていたのだけど、さすがに毎週は申し訳ないので断った。
そして英野さんは椿姉の親友のお母さんらしく、よく椿姉と娘の咲さんの話もしてくれる。
私には初耳のことばかりだ。
家族のことなのに知らないなんて、おかしいけど。
今日はゼリー。
硬めの綺麗な薄緑の緑茶ゼリーにびわが入っている。
緑茶の味もハッキリと濃く出ていて、その苦味でびわの甘さとバランスをとっている。
底の方にはさっぱりめに作った餡。
びわとゼリーの組み合わせでも水っぽくならない所が間宮和菓子の腕なの。
「んん~やっぱ間宮和菓子最高だわ!!」
「間宮和菓子を週1で食べれるってすごいよねー!自慢できる」
「あんたの自慢じゃないでしょー」
「だからー菖蒲を自慢すんのー!」
「ははっ意味不明ー!!」
皆が笑顔で頬張るのを眺めながら、自然に私の口も弛む。
私の家のお菓子でこんなに人を笑顔にできるってスゴくない?なんて嬉しさに浸る。
「はい、みんな差し入れ~」
毎週日曜日、家から持ってきた和菓子をお昼の休憩にデザートとして食べるのがテニス部、通称【女テニ】の習慣になっている。
少し前まで家で働いている英野さんがお昼前に持ってきてくれていたのだけど、さすがに毎週は申し訳ないので断った。
そして英野さんは椿姉の親友のお母さんらしく、よく椿姉と娘の咲さんの話もしてくれる。
私には初耳のことばかりだ。
家族のことなのに知らないなんて、おかしいけど。
今日はゼリー。
硬めの綺麗な薄緑の緑茶ゼリーにびわが入っている。
緑茶の味もハッキリと濃く出ていて、その苦味でびわの甘さとバランスをとっている。
底の方にはさっぱりめに作った餡。
びわとゼリーの組み合わせでも水っぽくならない所が間宮和菓子の腕なの。
「んん~やっぱ間宮和菓子最高だわ!!」
「間宮和菓子を週1で食べれるってすごいよねー!自慢できる」
「あんたの自慢じゃないでしょー」
「だからー菖蒲を自慢すんのー!」
「ははっ意味不明ー!!」
皆が笑顔で頬張るのを眺めながら、自然に私の口も弛む。
私の家のお菓子でこんなに人を笑顔にできるってスゴくない?なんて嬉しさに浸る。