届屋ぎんかの怪異譚
✿一、蒼炎を纏う者
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✿一、蒼炎を纏う者
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冬至の近づいて寒さの厳しくなってきた、ある日の夕暮れ時。
雪で真っ白に染められた、山間の寂れた村のはずれに、夜闇の近づいた空から舞い降りたものがあった。
とは言っても、鳥ではない。
唐紅(からくれない)の着物を着た、年の頃は十五ほどの娘だ。
しっとりとした黒髪を腰の辺りまでまっすぐ伸ばして、頭の高い位置で一つに結んでいる。
きっと見てしまった者があったら、驚いて腰を抜かしただろう。
娘はまるで風に乗るように空を飛び、
村のはずれの山林に入るとスッと地面に近づき、ふわりと降り立った。
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