届屋ぎんかの怪異譚
終章
✿終章
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ほくほくのごはん。
あつあつのお味噌汁。
おいしいお漬物。
目の前にはすでに朝餉を食べ終えて、二藍の背を撫でながら眠そうにしている猫目。
「いやぁ、せっかく朔を送り出そうってのに、こんなちんけな飯しか用意できなくですまねぇなぁ」
ご飯の最後の一口を口に運びながら、糺は申し訳なさそうに眉尻を下げた。
「いや、十分だ。馳走になった」
朔は言って、席を立つ。
「朔、もう行くの?」
と、慌てて席を立ったのは銀花だ。
「あぁ、そろそろ行かないと日暮れまでに相模に着けない。おまえはゆっくり食ってろよ」
「嫌よ。見送りに行くわ」
すこし前に退治屋の依頼が入って、朔はこの日、駿河へ旅立つ。
出立の準備をする朔を手伝って羽織を着せてやる銀花を、猫目と糺は生暖かい目で見守っていた。
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ほくほくのごはん。
あつあつのお味噌汁。
おいしいお漬物。
目の前にはすでに朝餉を食べ終えて、二藍の背を撫でながら眠そうにしている猫目。
「いやぁ、せっかく朔を送り出そうってのに、こんなちんけな飯しか用意できなくですまねぇなぁ」
ご飯の最後の一口を口に運びながら、糺は申し訳なさそうに眉尻を下げた。
「いや、十分だ。馳走になった」
朔は言って、席を立つ。
「朔、もう行くの?」
と、慌てて席を立ったのは銀花だ。
「あぁ、そろそろ行かないと日暮れまでに相模に着けない。おまえはゆっくり食ってろよ」
「嫌よ。見送りに行くわ」
すこし前に退治屋の依頼が入って、朔はこの日、駿河へ旅立つ。
出立の準備をする朔を手伝って羽織を着せてやる銀花を、猫目と糺は生暖かい目で見守っていた。