届屋ぎんかの怪異譚
ね? と、笑って首をかしげると、男の子の目にみるみる涙が溢れ出す。
――それはもう、悲しみの涙ではなかった。
「……ありがとう……」
小さな小さな声で言った男の子は、いつのまにか、その体を白く輝かせていた。
その光はだんだんと強くなり、やがて男の子の輪郭さえ見えなくなるほど眩(まばゆ)くなっていく。
「ありがとう、優しい子。……けれど、毎日ここへ来る必要はないよ。
おまえの負担になって、優しいおまえに嫌われるのは、きっと孤独よりも耐えがたい」
「あたし、嫌ったりなんて……」
「いいんだ」