届屋ぎんかの怪異譚
銀花の言葉を遮って、男の子は――もう男の子の形をとどめなくなった白い光は、言った。
「もう、いいんだ。その言葉だけで十分だ。……ずっとひとりだったのに、わたしは人の温かさを知って、それを再び失うのが怖くなった。
馬鹿なことをしたよ。――わたしは、人を守るためのものなのに」
光は徐々に形を変え、それは獣の――狐の姿になった。
「優しい子、どうか、わたしを覚えていておくれ。この社はもうすぐ人の子の住処となるために壊されてしまうだろう。
そうすれば、わたしはきっと、人の子たちから忘れ去られてしまう」
狐は悲しげにうつむき、だがすぐにその優美な頭を上げた。