埋火
その夜、都市像は屯営に残った。幹部で残ったのは、副長である土方、病床の総司だけである。
「今夜はお前の看病をしてやるよ。」
近藤はそう言いながら病室に机を持ち込み、なにやら手紙を書いていた。
「あの女性ですか。」
総司は病床から声をかけた。
「ああ。」
土方の表情は、どこかいつもより悲しく澄んでいた。
総司は知っていた、土方の馴染みの女である女のことを。しかし、総司はそれから何も言わずに天井を仰いでいた。
隣で土方は机へつっ伏せた。
総司の頭の中で、京での思い出が静かに甦っていた。
『青春は終わった』
静かに心の中で呟き、この都でのすべてもの情熱を埋めようとしていた。
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