擬装カップル~私は身代わり彼女~
「ダメ、放しなさい!誰か来たらどうするの?やめてってば!」
「美鈴ちゃんが話を聞いてくれないからでしょ?大丈夫。誰もいないよ」
樹くんが、無理矢理美鈴先生を抱き締めてる。
「好き…好きなんだ。美鈴ちゃんじゃないとダメなんだ」
美鈴先生の腕から抗う力が抜け、樹くんの背中に回し、抱き締め返す。
「好きだよ、美鈴ちゃん」
そして、樹くんが美鈴先生の唇に、自分の唇を重ねる。
図書室に、ちゅっ、くちゅっと唇が重なる音が響く。
樹くんの手が美鈴先生の後頭部を支え、もう一方の手が美鈴先生のブラウスのリボンを外す。
「あっ、ダメよ…これ以上はダメ…ね?」
「じゃあ、もっとキスさせて」
荒くなる二人の呼吸と、さっきよりも水気を帯びた、唇が重なり絡み合う音。
それをかき消すくらい、私の心臓が大きく早く音を立てる。
「美鈴ちゃん、僕の事、好き?」
美鈴先生は樹くんの問いには答えず、小さく頷いた。
樹くんがもう一度、美鈴先生の唇を塞ごうとした瞬間ー