愛してあげるから
☆零side☆
風呂からあがり、俺は玲愛さんが用意してくれた部屋着に着替えた。
そういえば、風呂上りからミスズに会ってねーや。
…俺、本当重症だな。
そう思いながら、ミスズの部屋へ向かう。
「……あれ?」
しかし部屋に、ミスズはいなかった。
俺は部屋中を見渡すけど、ミスズはいない。
「玲愛さん」
俺は玄関にいる玲愛さんに声をかけた。
「あ、零くん」
「お風呂ありがとうございました。
…ミスズはどこにいますか?」
「美静ちゃん、学校に忘れ物を取りに行ったのよ」
忘れ物?
俺はバスタオルで髪の毛を軽く拭きながら、首を傾げた。
「さっき杉本くんって方からお電話が来てね。
美静ちゃん、それから学校に行っちゃったのよ。
……ただ、帰りが遅いのよね………」
「玲愛さん、俺見てきます!」
髪の毛もまともに拭かず、俺は玲愛さんにバスタオルを渡して、逢坂家を飛び出した。