愛してあげるから







教室の扉は、前も後ろも鍵がかかっていた。

前の扉を開けると、中に予想通り。

一誠と、ミスズがいた。





「零!」

「零!助かったぜ~!」




俺は鍵を廊下に投げ捨て、一誠の元へ行き、その胸ぐらを掴んだ。





「ぜ、零……?」

「何でこんなことしたんだよ!?」




黒板に一誠の体を押し付けた。

ガンッと鋭い音がする。

一誠が痛みに顔を歪めた。





「零!何しているの!?」



ミスズが来て、俺と一誠を離そうとするけど。

俺は無視して、一誠を睨みつけた。




「何していたんだ!?」

「ぜ、零と逢坂を別れさせようと……」

「何でそんな余計なことしたんだッ!!」



俺の怒りに、ミスズが小さく悲鳴を上げた。






< 106 / 135 >

この作品をシェア

pagetop