愛してあげるから
教室の扉は、前も後ろも鍵がかかっていた。
前の扉を開けると、中に予想通り。
一誠と、ミスズがいた。
「零!」
「零!助かったぜ~!」
俺は鍵を廊下に投げ捨て、一誠の元へ行き、その胸ぐらを掴んだ。
「ぜ、零……?」
「何でこんなことしたんだよ!?」
黒板に一誠の体を押し付けた。
ガンッと鋭い音がする。
一誠が痛みに顔を歪めた。
「零!何しているの!?」
ミスズが来て、俺と一誠を離そうとするけど。
俺は無視して、一誠を睨みつけた。
「何していたんだ!?」
「ぜ、零と逢坂を別れさせようと……」
「何でそんな余計なことしたんだッ!!」
俺の怒りに、ミスズが小さく悲鳴を上げた。