愛してあげるから
零は殺気を放ちながら、真っ直ぐに杉本くんに近づき。
その胸ぐらを乱暴につかんだ。
「ぜ、零……?」
「何でこんなことしたんだよ!?」
零は叫び、杉本くんの体を黒板へ押し付けた。
バンッと鋭い音がする。
零が…怒っている……!?
驚いている暇じゃない。
早く零と杉本くんを離さないと!
「零!何しているの!?」
急いで零の体を引っ張るけど。
零はビクともしない。
あたしの抵抗は無視され、零は杉本くんを睨み続けている。
零、怒ってる。
何で?
どうして……?
怖い。
初めて見る零が、怖い。
杉本くんに怒鳴る零が、怖い…。
あたしは思わず、小さな悲鳴を上げてしまった。