愛してあげるから






そんなあたしを、零は見つけ出してくれた。

あたしの“令嬢としての逢坂美静”の仮面を、はがしてくれたんだ。

だからあたしは、零に惹かれたんだと思う。




零。

あたしは零が好き。

零の中身を見れる、自信があるよ。




零があたしを、

見つけてくれたんだから―――…。








「……ミスズ?」

「あ、零!」




あたしはいつの間にか流れていた涙を拭う。

さっき教室で泣いて、泣き止んだと思ったのに。

…人の体って水で出来ているって言うけど、一体涙ってどれくらいあるんだろう?





「おはよう。…ってもう夜だけどね」



そういえば、今何時?

あたしは部屋に備え付けられた時計を見た。



「ゲッ!?」



深夜、3時!?

何でそんな時間になっているのよ!

明日は学校だと言うのにぃ!







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