愛してあげるから







「折角起きた所悪いけど、あたしも寝ないと。
じゃあ、おやすみ」




零は起きたばかりだけどね。

あたしはスッと立ち上がる…つもりだった。




だけど。

グイッと繋がれたままの手が引っ張られ。

あたしは後ろから、零に抱きしめられていた。






「零……?」




もう、寝なくて良い。

きょう1日寝ないからって、人間は死なない。

あたしは決心し、首元にある零の腕に触れた。





「……ミスズ」

「何?」

「一緒にいても、良いか?」

「は?」




何を言い出すの?




「当たり前じゃない…」



あたしの目から、涙が出てきた。

零の腕に、流れ落ちる涙。




もう本当あたし、泣き虫なんだから…っ。







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