愛してあげるから
「1人にしないでよ…あたしのこと」
ギュッと、離れないように、あたしは零にしがみつく。
初恋なんだ。
だから慣れないことも多い。
だけどあたしは。
…零と一緒に生きて行きたい。
「零と一緒に生きたいの…。
あたしから、離れないでよ…。
一緒にいてよぉ……」
子どもで良い。
初めてで良い。
相手を思う気持ちがあれば、良い。
「……一緒にいるよミスズ。
1度……捨てられた俺が、ミスズから離れるわけね―じゃん」
「……え?」
捨て、られた……?
「俺、閉じ込められて、置いてかれたんだ……母親に」
零の話は、そんな衝撃的な一言から始まった。