愛してあげるから
「……馬鹿、反則だって」
あたしと繋いでいない左手で、顔を隠す零。
隙間から見える顔は、真っ赤だった。
「零も真っ赤になるんだねー」
「……うるせ」
「アハ、照れてる」
「~!」
零の新しい一面を見ている所で、唇が塞がれた。
再び男子女子教師が騒ぎ出す。
「ど、どっちが反則なのよ!」
「いや、ミスズには負ける」
ニコッと笑う零。
容姿端麗で、成績優秀で、スポーツ万能で。
でもプレイボーイで。
そんな彼に、あたしは恋をしたんだ。
「これからも、ミスズのこと愛してやるよ」
「あたしだって、ギプアップって言われるぐらい、零のことを愛してあげるんだから!!」
大好きだから。
一緒にいようと、思えるんだ。
あたしたちの愛は、
誰にも負けない。
【END】