愛してあげるから
☆☆☆
「つまんなーい」
「早く帰りてー」
「何でこんなことするんだよー」
ギャアギャア文句を言うクラスメイト達。
点呼中のあたしは、その文句の数々にイライラしていた。
悪いけど。
あたしにとっては楽しみでしょうがない行事なの。
馬鹿にするのなら、本当帰ってほしい。
「零も興味ないでしょ?」
「……」
「零?…アハ、寝てるよォ」
もう1人のクラス委員は寝ているし。
担任は腹痛だとかで休みだし。
…本当、このクラスどうかしてる。
点呼を終えたあたしは、生徒と同じくめんどくさそうな先生に紙を渡した。
生徒がどこかへ行かないよう見張るだけの先生。
…監視カメラみたいな存在じゃん。
あたしはうるさい連中から離れるため、先生の目を盗み、生徒が集まる野外ステージの座席から外れた。