愛してあげるから
「條崎」
「何?」
「さっきまで寝ていたじゃない。
何で起きてわざわざこっちに来たの?」
「寝てねーけど?俺」
は?
「寝たふりしていたの。
そうしたら女子と離れられるからさ」
離れられる?
「どういうこと?
條崎って、女子のこと好きじゃないの?」
「好きじゃねーよ、あんなの」
初めて聞いた、六冠王の本音。
プレイボーイだから、女子が好きなのかと思ってた。
「あ、このことミキとかには内緒な」
「…言わないよ、親しくないもん」
「てかミスズ友達いるの?
いつも1人でいる所しか見たことないけど」
「いないわよ、友達なんて。
あたしには必要ないから」
「必要ない?」
「うわべだけの付き合いは嫌だわ」
あたしは溜息をついた。