愛してあげるから
「……最低ッ!」
離れた途端、あたしは唇を何度もこすった。
離れているはずなのに、離れていない感じがしてならない。
「……何で最低なわけ?」
「こんなことしないでくださいよッ!」
「俺がやったら、女子は嬉しがるけど?
中にはもっとやってくれって頼む奴もいるしな」
「あたしを、他の女子と一緒にしないでくださいっ!!」
離れようと立ち上がったけど。
右手は繋がれたままで。
離れようとグイグイ自分の手を引っ張るけど。
……離れない。
「離してッ!」
「嫌だね」
「何でですかッ!」
「離したらミスズ、向こう行くだろ」
「当たり前じゃないですかッ!!」
嫌だ。
嫌だ。
あたしを他の女子と一緒にしないで。
あたしは他の子みたいに、アンタになんて惹かれない。
アンタみたいなプレイボーイ、遊び人なんて、
大嫌いなんだからッ……!!