愛してあげるから
グイッ
「きゃっ……!」
思い切り右手を引っ張られたかと思うと。
…あたしは條崎の膝の上にいた。
右手は離れたけど、
あたしが逃げられないよう、後ろから抱きしめられている。
胸元に、條崎の腕がある。
「離れようと思うな」
「……ッ!」
「このままにしていろ」
「…何でッ」
「逃げられるものなら逃げてみろ。
……六冠王の名を持つ俺から逃げられると思うのなら…な」
ギュッと、あたしを抱きしめる腕の力が強くなる。
逃げ道が、ない。
「……好きなんだよ」
ポソッと、独り言のように條崎は呟いた。
「は……?」
「星が」
……星?