愛してあげるから
☆零side☆
星空観賞の帰り道。
「零!
このあとアタシの家に来ない?」
「記念に一緒に過ごそーよー!」
女に囲まれ、俺は反射的に笑みを作った。
「俺、今日はもう帰るわ。
眠いし?」
「そっかー。
でも確かに、今日眠かったよねー」
「星空観賞なんてまともにしている奴なんて、いたのかなー?」
……ここにいますけど?
なんて絶対に言わない。
「じゃあねー零っ!」
「また明日トランプしよーね!」
「じゃーな?」
テキトーに会話を済ませ、俺は1人で歩きだす。
「待たせたな」
天文台近くの公園にいたのは、幼馴染の杉本一誠だ。