愛してあげるから
「イテッ!何するんだよ!!」
「馬鹿はどっちだ。
一誠の方が俺より成績下じゃねーかよ」
「…た、確かに俺は2位で、毎回1位の零には勝てねーけどよ!
何でそんな無謀なこと言ったんだよ。
どーせ遊びなんだろ?」
俺はふっと笑った。
「当たり前じゃん」
女なんて、皆一緒だ。
ミスズも、例外じゃない。
他の女と一緒にするな、とミスズは言っていたけど。
俺からしてみればミスズ、お前も一緒なんだよ。
最低な生き物には、変わりねーんだよ。
「ミスズに彼女になれって言ったのもお遊び。
どーせすぐに飽きて捨てるよ」
「……お前って、本当に最低だな」
「は?…これが普通だし」
「まー良いけどさ。
てか零、お前今日どうするんだ?」
「…………」
俺は黙り込んだ。
「……家来いよ」
「………良いのか?」
「ああ。
舞奈(まいな)も喜ぶはずだ」
「……じゃあ、お邪魔するよ。
おじさんとおばさんは?」
「今日も遅いしよ。
しかも、お前が家に帰らねーわけも知っているし。
気軽に来いっていつも言っているしよ。
気にしねーで良いよ」
「……ありがとう、一誠」
俺は笑った。
だけど、一誠は笑わなかった。