愛してあげるから







紙の束を持ってふらふらしながらも、屋上への階段を上がる。

そして扉を開けようとした瞬間、気が付く。




屋上って鍵開いているの?

入ったことないからわからないけどさ…。




まぁ良いか。

開けてみる価値はあるよね!




ガチャ……





おっ、開いた開いた!

風も少ししか吹いていないから、紙が飛んでいく場合もない。

良し良し、絶好の屋上日和!

…なんだそれ。

自分で言ったけど、ネーミングセンス悪っ。





あたしは紙の束を抱きながら、空を見上げた。

そして昨日の、満天の星空を思いだす。

…綺麗だったな、昨日の星空。




普段あたしたちが生活している空でも、星はある。

ただ地上の明かりで見えなくなっているだけ。

…わざわざあそこに行かなくても見えたら良いのに。



でもあたしは、星空だけではなく、青空も好きだ。

綺麗で、どこまでも続いているって感じがまた好き。



もっと近くで見たいなぁ。








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