愛してあげるから
「これ、クラス委員の仕事なんです」
視線を少しだけ外した。
外し過ぎると、きっと何か言われると思ったから。
「クラス委員?
…じゃあ、俺も仕事しないといけねーじゃん」
まるで他人事のように言う條崎。
少しだけ、ほんの少しだけ、ムカついた。
前までは、かなりムカついていたのに…。
「手伝ってくれますか」
無理、と断られるだろうなと思いながらも、聞いてみる。
「良いよ」
「良いんですかっ!?」
言って思わず口元を押さえた。
まさか素直にオッケーされるとは思っていなかったから…。
「そんなに驚くこと?」
「…断られると思っていたので」
「断るわけねーじゃん。
担任に頼まれていたのなら断っていたかもしれないけどね。
ミスズの頼みなら、断るわけねーじゃん」
眠そうな瞳を細め、ふっと笑う條崎。
…不覚にも、ドキッとしてしまった。