愛してあげるから
「そう、表向き。
俺が手伝った本当の理由は、裏向きにあるんだよね~」
ゾクッ。
寒気がする……。
「も、もう手伝わなくて良いですっ!」
あたしはまとめているプリントを、奪い取ろうと手を伸ばした。
……だけど。
「あ、あれ!?」
先ほどまであった半分のプリントが、なくなっている。
……條崎、こんな短時間で全部終わらせたってこと!?
「手伝わなくて良いって言われてもねぇ。
もう終わっちゃったから、それは無理だね」
…マズい。
條崎が器用でも、ここまで器用だとは!
あたしなんて、半分の半分にも達していないのに!?
「手伝ったんだからさぁ。
ミスズ、俺のお願い、聞いてくれるよね?」
條崎の器用さに驚いて固まっていた右腕が。
…グイッと、強く引っ張られた。