愛してあげるから
「呼んでみ?」
「はぁ!?」
「だから、零って呼んでみて」
「何であたしがっ……」
「俺はミスズって呼んでいるのにか?」
「それはっ!
アンタが勝手に呼んでいるだけでしょう!?」
「アンタじゃねぇ。
零って名前がちゃんとあんだよ」
少しだけ、ほんの少しだけあたしを睨んでくる條崎。
コイツ、本当に読めないっ……!
するとあたしは、條崎に腕を引かれた。
再びあたしは條崎に抱きしめられる形になった。
折角さっき離れたばかりなのにぃ!
「早く呼べ」
「嫌だっ」
「呼ばねーと離さねーし、またキスするぞ?」
お、脅してきた!?
これは本気だ。
何が何でも呼ばせたいんだ。
「……ろ」
「聞こえない。早く呼べ。
…それとも、キスされてぇの?」
キスだけは、されたくない!
あたし、彼氏いたことないんだよ!?
キスなんて、彼氏にしかされたくないよ!!
もうファーストキスもセカンドキスも奪われているけどね!?
…六冠王の名を持つ、超プレイボーイに!!