愛してあげるから
お誘い
☆零side☆
チャイムが鳴ったため、ミスズがまとめたプリントを持ち、真っ赤な顔をしたまま屋上を出て行く。
それを見送り、俺はふっと笑った。
ミスズ、面白いな……。
いつもの女は、キスをすれば「もっと」とせがんでくるのに。
ミスズは違う。
1回キスしただけで真っ赤になって、拒んで。
…ミスズみたいな純粋な子、初めて見た。
ずっと俺のこと條崎って呼んでいたから。
ミスズの口から、俺の名前を呼んでほしかったから。
少しだけミスズを脅して、呼ばせた。
トマトのように真っ赤になって俺の名前を呼ぶミスズ。
凄く可愛くて。
我慢できなくなって、思わずキスをした。
…マズいな、俺。
どんどんミスズに惚れてんじゃん。
ミスズが真っ赤になる姿を、もっと見たい。
俺のキスで、ミスズを溺れさせたい。
ミスズの口から、俺の名前をもっと呼ばせたい。
女なんて、興味もなかった俺なのに。
ミスズに関わったのだって、ただの暇つぶしだったのに。
……俺、
どんどん自分がわからなくなっている………。