愛してあげるから
『待って!どこ行くの!?……――――』
ズキッ
「うっ……」
一瞬頭痛を覚え、思わず頭を押さえた。
無理だ。
ミスズを好きになることなど、あってはならない。
また、“あの時”と同じ思いをするのか?
したくない。
“あの時”と同じ思いなんて。
ぜってーにしたくねぇ……。
「零」
「!」
急いで振り向くと、一誠が立っていた。
「お前もやるなぁ」
「……は?」
俺の隣に座り胡坐をかいた一誠が、苦笑いをしている。