愛してあげるから
「クラス1の優等生、逢坂美静と一緒にサボりか?」
「……何で知っているんだよ」
てかコイツ、この間の星空観賞の時も、俺とミスズが一緒にいたのを目撃していた。
コイツ、どこかに監視カメラでも仕掛けているんじゃねーの?
「屋上に行こうと思ったら、真っ赤な顔した逢坂とすれ違ってな。
それで零が屋上にいたじゃん?
一緒にサボリに決まっているじゃねーか!」
…なるほど。
コイツは監視カメラなどを仕掛けているのではない。
ただ単にミスズに遭遇する確率が高いだけだ。
「まさかあの逢坂美静をオトすとは。
六冠王の名を持つだけあるなぁ」
「…………」
「お前、良い加減にしろよ?」
グイッと胸ぐらを掴まれる。
一誠の顔が、近い。
「離れろ」
「良い加減に逢坂美静と別れろ。
それともお前、また―――……」
「黙れッ!!」
一誠の腕を掴み、思い切り押した。
ドサッと一誠は尻餅をついた。