愛してあげるから
「「「きゃあああっ!!」」」
「零が逢坂さんと―――ッ!?」
「何でキスなんてしているのォ!?」
学校が壊れるのではないかと思うぐらい、女子が騒ぐ。
お願い、離して!
アンタのせいで、あたしの平穏な高校生活が、壊れちゃう!
そう願っては見るけど、條崎は全く無視。
「ミスズ、言って。
俺の名前、呼んで」
「零ッ!」
「…よく出来ました」
小さい子をあやすようにあたしの頭を撫でる條崎。
恥ずかしいけどどこか嬉しいのは……何でなのかな?
「零ォ!」
おにぎりを片手に持ちながら、ミキさんが来た。
ミキさんは、最も條崎の傍にいる、彼女みたいな人。
彼女ではないらしいけど……。