愛してあげるから
「じょ、冗談でしょう……?」
目を見開き、声を震わせながら尋ねるミキさん。
「冗談じゃない、本気だ」
「零が…そんな地味子と……!?」
確かに、あたしは地味子だ。
三つ編みに瓶底眼鏡だ。
“逢坂家の令嬢”って思われないため。
一種のあたしなりの変装なのだ。
「ミスズは確かに地味だけど。
すげー綺麗な心持ってんだよ」
じょう、さき……。
ギュッとあたしを抱く力が強くなる。
あたしも、抱きしめる腕に、少しだけ力を加えた。
何でだろう。
何でだろう。
可笑しいよ、あたし。
條崎が、あたしを庇ってくれた。
それだけで、何でこんなにも嬉しいと思うの?
條崎のことが、
気になるって、思うの……!?