愛してあげるから
「お会計のことは気にするな、おいで」
グイッとあたしの手を握った條崎は、お店を出て行こうとする。
気にするなって言われたけど……!
気にしちゃうよぉ!!
「條崎!待って!!」
待ち合わせ場所だった時計の前に来た時、あたしはようやく條崎を止めることが出来た。
條崎は力が強いから、あたしは引っ張られることしか出来ないのだ。
「お会計は!?」
「気にするなって言っただろミスズ」
「気にするなって言われても、気にしちゃうよぉ!!」
「……しょうがねぇなぁ」
グイッと手を引かれ高と思うと、目の前には條崎の顔があった。
凄く綺麗な顔立ちをしている。
羨ましい……。
「俺は條崎零」
「はい?」
そんなの、知っていますけど……。