愛してあげるから






「仲悪い?そうか?」




とぼけたように言う條崎だけど。

さっきのは仲悪いって言葉で押さえきれない。

例えて言うなら……






憎悪。








「條崎ってもしかして、家庭環境悪いの…?」

「別に?」

「嘘!」

「嘘?」

「じゃあ何で、そんなに寂しそうなの…?」





聞いちゃいけない。

でも、聞かずにはいられない。





「寂しそう?
眠そうの間違いじゃなくて?」

「間違いじゃない」




間違えるような顔じゃないでしょ。




「…そんな顔していないよ。
俺は、いつも通りだよ」




ふっと寂しさや哀しさを隠すように笑う條崎。








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