愛してあげるから
「零っ……!」
「!?」
あたしが名前を自分から呼ぶと思わなかったのか。
條崎……違う、零は驚いた表情を浮かべた。
「ミスズ……?」
「零、そんな寂しそうな顔しないで。
見ているこっちが……辛い………」
あたしは人混みにいるにも関わらず、泣きだした。
通りすがる人が、あたしを見て行く。
だけど、あたしの涙は止まらない。
あぁ、そうだ。
あたしは、零が好きなんだ。
今更気が付いたよ。
……違う、前から気が付いていた。
ただ、気が付かないふりをしていただけ。
キュンッとしたのも。
ドキッとしたのも。
……全て、零に恋をしていたから。
似合うって言われたのも。
彼女になれって言われた時も。
……全て、嬉しかったんだ………。