愛してあげるから






「…………」




零が、あたしを抱きしめた。

不思議と、恥ずかしいと思わなくなった。

前までは恥ずかしくてたまらなかったのに。





今は、嬉しくてたまらない。

好きだと、気が付いたからだろうか?

大好きだと、思えるだからだろうか?






「零…」

「ミスズ。
…ミスズだって俺に、隠し事あるだろ?」





あたしはふっと顔を上げた。

零の瞳から、哀しさは消えていた。





「ミスズ、何があった?」

「どういう……」

「普通、自分から進んであんな地味な格好しないだろ。
ミスズ、お前だって家庭環境、悪いんじゃねーの?」

「!」

「なぁミスズ。
俺に言ってみねーか?」

「……ッ」

「ミスズの辛いこと、俺が全部受け止めてやるからよ……」




優しい言葉と、ぬくもりに負けて。

あたしは子どものように、泣きじゃくった。








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