愛してあげるから







……無理だ。

こんなミスズを、振れない。





本当は、別れるべきなんだ。

ミスズが傷つく前に。

でも何で…どうして。

どうして…別れたくないと思う?








『行かないでッ!』

『どこへ行くのッ!?』

『――――――――ッッ!!!』




ズキッ

「……ッ」




ミスズを抱きしめておいて良かった。

ミスズに、俺を見えなくしておいて…良かった。





別れないと。

別れないと。

ミスズを…振らねぇと。





「…ひっく…ぅ~……」




俺の中で、嗚咽を漏らすミスズ。








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