愛してあげるから
第3章
晩ご飯
☆美静side☆
あたしたちは手を繋ぎながら、海沿いを歩いていた。
初めての告白。
初めての、彼氏。
あたしは、ニヤニヤが止まらなかった。
まさか、零が「付き合って」なんて本気で言うなんて。
学校1モテるプレイボーイが、あたしの彼氏になるなんて。
驚きと嬉しさが入り混じって、何だか不思議な気持ち。
そういえば零って、何か病気でも持っているのかな?
泣き続けるあたしを抱きしめた時。
あたしは少しだけ、顔を上げた。
その一瞬、零は顔をしかめたんだ。
あたしは驚いて、零の胸に顔を沈めたけど。
零って、本当によくわからない。
掴みどころがなくて、届きそうな場所にいても、離れて行ってしまう。
零は本当に、そういう人だ。
零。
あたしの傍から、離れないで。
あたしと一緒にいて。
…そう願うのは、我が儘なのかな……。