愛してあげるから
「……美静ちゃん?」
ふと聞こえた声に、思わず足を止めた。
振り向くと、予想通り玲愛さんが立っていた。
手には買い物袋を持ち、背中には聖くんがいた。
「さっき話した玲愛さんと、聖くん」
玲愛さんにバレないように零に耳打ちをした。
すると零は、あたしより1歩前に出た。
「初めまして。
條崎零と申します。
ミスズさんとお付き合いしています」
ペコンッと丁寧に頭を下げる零。
零ってプレイボーイだけど、そこら辺はしっかりしているよねぇ。
てか零、堂々としすぎ…!
玲愛さんもあたしも、顔を真っ赤にした。
「美静ちゃんの彼氏?
凄くかっこいい彼氏なのね」
「……そうなの」
玲愛さんの目から見ても、零がかっこいいと思うんだ。
本当零って、どこにいてもモテるよね。
「そうだわ。
條崎くん、晩ご飯もし良かったら一緒にどう?
今日はカレーライスなんだけど……」
玲愛さんが控えめに切り出す。
零と一緒に夜ご飯なんて…夢みたい。
夢なら、冷めないでほしい……。